ナード階層出身者が映画の主人公に選ばれるワケ

今回はアメリカのスクールカーストで負け組に位置する「ナード」に焦点を当てております。

ナードとは?

『ナポレオン・ダイナマイト』では典型的なナードの学生生活が描かれている(出典:『ナポレオン・ダイナマイト』 フォックス・サーチライト/パラマウント・ピクチャーズ)

スポーツが苦手で社交的でない人を指します。日本でいう「オタク」に近い概念です。体育会系が崇拝されるアメリカの学生社会では、決して日の目を見ない存在です。

ちなみに、似たような言葉で「ギーク」がありますが、こちらはナードの特徴である社会不適合性を除いたもので、同じく軽蔑的なスラングになっています。今回は明確な区別はつけずに語っていこうと思います。

しばしば虐げられてきた

アメリカにおけるスクールカースト構造(出典:パブリックドメイン)

アメリカの学校(特に高校)にはスクールカーストと呼ばれる階層意識が存在します。カーストの最上位には、アメフト部やチアリーディング部のキャプテンが君臨しています。映画の中では、いつも取り巻きをつれて、傲慢に描かれていることがほとんどですね。ナードはこのカーストの最下層に位置していますから、肩身の狭い学生生活を送っているわけです。発言力はなく、いつも嘲笑の的にされてきました。

ナードの逆襲

『ナーズの復讐?集結!恐怖のオチコボレ軍団』ではナードたちがコンピュータを使ってジョックに復讐する(出典:『ナーズの復讐?集結!恐怖のオチコボレ軍団』)

不遇な扱いをうけるナードですが、ついに脚光を浴びる時代がやってきます。インターネットが一般社会に普及してきたのです。もともとコンピュータに対して造詣が深かったナードは、専門的なスキルを持っていたので、インターネット黎明期で大きなアドバンテージを得ることになります。

Facebookを創設したマーク・ザッカーバーグもナード階層出身(出典:YouTube THE SOCIAL NETWORK ソーシャル・ネットワーク CM 篇30秒)

現に今日の情報化社会で、偉大な文化人・実業家・発明家のナード階層出身者が占める比率は、次第に高くなってきています。

ナード階層出身のスーパーヒーローの誕生

主人公のピーターパーカーは科学オタクで恋愛に奥手(出典:『スパイダーマン』コロンビア映画)

現実世界だけでなく、スパイ映画やアクション映画の補佐役として、映画の中でも活躍するようになっていくナード。そしてついにナード階層出身のスーパーヒーローが誕生します。そう『スパイダーマン』です。

『スパイダーマン』はナード階層出身の主人公がスーパーヒーローになる物語です。この映画はナードだけではなく、スクールカースト上位のジョックやクイーンビーなども登場するので、アメリカの高校事情を知るには最適な作品と言えるでしょう。

演出しやすいキャラクター

『キック・アス』では、ヒーローオタクが本当に正義のヒーローとして活躍する(出典: 『キック・アス』マーヴ・フィルムズ/プランBエンターテインメント)

このように映画の中でも着々と市民権を得ていくナード。それまで冴えなかったキャラクターが、思いもよらぬ場面で才能を見せつけ大活躍するというシチュエーションは、物語にするにはうってつけなのです。カースト上位のキャラクターは意地悪で暴力的に描かれることが多いため、相対的にナードは正直で正義感のあるキャラクターとして印象付けられます。“正義”が”悪”を成敗する勧善懲悪はカタルシスを得やすいですからね。

もはや軽蔑用語ではなくなった

学生時代にはスクール下位であったナードも、社会に出ればその専門性が評価され、成功者となる可能性が十分にあります。IT先進国であるアメリカであれば、なおさらその傾向は強くなるはず。MIT(マサチューセッツ工科大学)では、ほとんどの学生がナードもしくは、ギークで構成されていますから、そもそもスクールカースト自体の構造も変化してきています。

オススメのナード映画

最後にナードが活躍する映画をご紹介!

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