沈黙シリーズでお馴染みのスティーブン・セガールはかなりの親日家だった
日米で活躍するアクション・スター

アメリカ出身の俳優で1988年から活躍しています。フィルモグラフィのほぼ全てがアクション。しかもセガールが圧倒するパターンのB級映画がほとんどです。ゴールデン・ラズベリー賞の常連ですが、それだけ話題性があるということでしょう。
日本では「沈黙の〇〇」シリーズで有名です。かなりの作品数がありますが、実はこれは日本の配給会社が勝手に名付けたもので、関連性は全くありません。唯一最初期の『沈黙の戦艦』には『暴走特急』という続編があります。

逆に沈黙が付いていないんですね・・・
日本との深い関係
セガールは若い頃に日本に住んでいたことがあります。7歳から空手に親しみ、格闘技全般に興味があったセガールは17歳で来日。この頃、剣道・柔道・空手・合気道・太極拳など、日本武道から中国拳法まで幅広く学んでいます。特に合気道については7段を会得している本物の達人です。
しかも、神道系新宗教の「大本教」に入信し、そこの道場の娘さんと結婚までしています。息子の剣太郎セガールは父親と同じく俳優で、NHKの連続テレビ小説などにも出演しましたが、近年はハリウッドを舞台に活躍しているようですね。
このように日本と関係の深いセガールは日本語もペラペラなのです。
関西に住んでいたのでコテコテの大阪弁です。吹き替えの声優に慣れていると声の高さにビックリします。2005年公開の『イントゥ・ザ・サン』は東京を舞台にヤクザと戦う話なのですが、この作品でも流暢な日本語を披露しています。
近年は、日本人の奥さんとも別れ、アクション映画も引退してしまったのですが、テレビ東京の「午後のロードショー」で出演作がヘビーローテーションされているので、まだまだ身近な俳優さんです。
沈黙シリーズは日本でしか人気がない?
セガールといえば『沈黙シリーズ』。現在までに30作品以上が製作されています。どの作品でも、セガールが無敵であることに変わりはなく、安定感バツグンの作品でばかりなので、そこそこのヒットを記録しています。
とこらが、本国アメリカでは1988年の『沈黙の陰謀』(沈黙シリーズ4作目)以降は、ほとんどが劇場公開されておらず、ビデオスルー扱いになっています。ということは、沈黙シリーズは日本市場向けに作られているのでしょうか?確かに刀や武道、服装など日本風(というかアジア全般)のテイストが色濃い作品が多いように思います。

日本では確固たるアクション・スターの地位を築いているセガールですが、有名アクション・スターばかりを集めた『エクスペンダブルズ』シリーズには出ていないし、監督や共演者も無名の方ばかりなのをみると、アメリカでは日本ほどメジャーではないのかもしれません。
2010年にはロバート・ロドリゲス監督の『マチェーテ』に出演していますね。この作品はダニー・トレホなど、渋いキャスティングに定評のある映画。セガールは知る人ぞ知る玄人向けのアクション・スターというイメージではないでしょうか。
セガールの大暴れが見たいならこの作品
セガールの豊富な出演作からオススメを紹介
『沈黙の戦艦』(1992)

核兵器搭載のハイテク戦艦USSミズーリが武装テロリスト集団に乗っ取られた。なんとか敵の目から逃れた料理人ライバック。彼はかつて精鋭の兵士として活躍していた男だった。ラインバックは単身、武装テロ集団に命がけの戦いを挑んでいく……。
allcinema ONLINE
記念すべき沈黙シリーズ第1作目。この作品が日本で爆発的にヒットしたため、以降セガールの作品には沈黙~がつけられるようになりました。
『エグゼクティブ・デシジョン』(1996)

アテネ発ワシントン行きの旅客機がテロリストによってハイジャックされた。機内にガス兵器が持ち込まれている事を憂慮した国防省は、特殊部隊を空中から機に潜入させる作戦を取るが、予期せぬトラブルが隊員たちを窮地に立たせる事になった……。
allcinema ONLINE
このポスターを見て、カート・ラッセルとのW主演だと楽しみにしていたことを思い出します。セガールファンとしてはなんともいえない展開でしたが、作品自体は良く出来ていて面白い。
『沈黙の制裁』(2014)

無敵の傭兵(ようへい)ジョン(スティーヴン・セガール)は、ウクライナで台頭してきた闇組織に所属するある男性の暗殺をCIAから依頼される。彼はいとも簡単にミッションをこなすが、組織が狙う女性ナディアを助けたことから逆に自分も相手に追われるハメに。CIAの作戦担当官ヴァン・ホーンを通じて彼女の返還を求められるが、ジョンはその申し出を断る。
シネマトゥデイ
この頃からセガールは体形がぽっちゃりしています。しかしながらアクションのキレは衰えず、相変わらずの無敵ぶりを披露していてステキです。
イントゥ・ザ・サン

東京都知事の選挙中に、候補者が殺されるという事件が発生し、日本の裏社会に詳しいトラビス・ハンター(スティーブン・セガール)が捜査にのり出す。
シネマトゥデイ
日本を舞台にした映画なので、セガールの日本語を拝聴することができます。その他日本人キャストも多数出演しています。
沈黙の奪還

元CIA特別捜査官で企業家として成功を収めているジャック・フォスター(スティーヴン・セガール)は、娘のアマンダと亡き妻の祖国ルーマニアを訪れた。しかし、アマンダは何者かに空港で誘拐されてしまい、ジャックが乗るはずだったリムジンも爆破。ジャックは元同僚ハリーとアマンダを連れ去ったタクシーを追うが……。
シネマトゥデイ
沈黙シリーズ15周年記念にして、セガール映画のお決まりプロットをこれでもかと詰め込んだ作品。いつまでたってもブレない姿勢にはもう尊敬するしかありません。