日本の映画館の鑑賞料金は高い?世界各国のシアター事情

映画館の料金が値上げされている

先日、TOHOシネマズが映画料金の値上げを行いました。それまで1800円だった一般料金が1900円に、その他サービス・デイ料金も100円値上げされました。

TOHOシネマズといえば、イオンシネマと並んで館数が多い映画館です。最大手シネコンが値上げしたことにより、109シネマや、松竹マルチプレックスシアターズ直営25劇場(ピカデリーやMOVIX21など)も同程度の値上げを行いました。

先陣を切ったTOHOシネマズによると値上げの理由は

アルバイト人件費を中心とした運営コストの上昇や各種設備投資への負担増により、企業努力だけではこれらの吸収は極めて困難であると判断し、鑑賞料金を改定させていただきます。

TOHOシネマズ公式コメントより抜粋

ということだそうで、各社も同様の理由となっています。

たしかに、人材難による人件費の上昇はこの業界に限った話ではないのですし、4DXやIMAXなど特殊なスクリーンが続々と登場しているので設備投資にも費用がかかるでしょう。最も、単純にお客さんが減ったということもあるでしょうね。

このような理由であるということは、今後もさらなる値上げがあり得ると考えられます。

映画館の鑑賞料金は昔より高い?

ガベージニュース様 作成

総務省統計局の資料によると、日本における映画黎明期である1950年代の鑑賞料金は64.6円でした。単純計算すれば現在の価格はこの30倍になっています。消費者物価指数と連動させて約540円と修正したとしても、3.5倍ほど現在の方が高くなっているということになりますね。

料金が高くなっている背景としては、製作費の上昇が大きな一因であると考えられます。1950年と言えば、アメリカではビリー・ワイルダーの『サンセット大通り』、日本では黒澤明の『羅生門』が製作されていた時代。いずれも名作であることに間違いありませんが、その製作費は近年の映画の何十分の一です。莫大な製作費を回収するためには、映画館の料金を高くする必要があるという訳です。

当時は大作と呼ばれた『羅生門』でも総製作費は約2600万しかかかっていない

そうはいっても、料金をむやみに上げることはできないので、現実的にはドリンクやフード、グッズなどで採算をとっている映画館が多いようですね。

VODサービス登場の影響

理由は納得できましたが、それでも映画館の料金は高いと感じることが多いように思えます。これは以前から言われていたことですが、近年は特にその傾向がみられるように思います。

理由としては、映画の鑑賞方法の多様化が進んでいるということが挙げられると思います。

NetflixやHuluのなど映画見放題サービスの月額は映画館に一回行くよりも安くなっています。さらに、AbemaTVやGYAO!など無料で映画を楽しめるサービスも登場してきました。映画館に行かずとも、自宅で映画を楽しめる時代になっているという訳ですね。

これらのサービスは基本的に旧作。最新作は映画館に行かないと見られないと思われる方もいるでしょう。ところが、映画館からこれらVODのラインナップに登場するまでの間隔が、年々短くなっています。例えば月額500円と低価格VODであるPrime Videoには、まだ公開から1年たっていない『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』が配信されています。もちろん、全ての作品が見られるわけではありませんが、この作品は昨年の興行収入上位にランクインしており、映画館に見に行った人も多いと思われる大ヒット作。

さらに、別料金にはなりますがレンタルだともっと早い。半年経たずに新作が続々と登場しています。料金は400~600円がボリュームゾーンで、半年待てば映画館に行くよりもずっと安く鑑賞することができます。

Prime Video

ついには、オンライン配信で公開される映画も。「トローズ・ミュージック☆パワー」は今年劇場公開する予定でしたが、急遽オンライン上で公開されることになりました。

これまでもオンライン配信で公開される作品はありましたが、本作はユニバーサル・ピクチャーズが製作した作品であり、このような大手製作会社による例は初めてです。新型コロナウイルスによってこの流れが急速化する可能性もあると思います。

諸外国のシアター事情

映画の本場ハリウッドあるアメリカではどうでしょうか。アメリカは格差大国なので物価の地域差が大きいのですが、平均すると1,000円程度なんだそうです。日本のサービスデイ料金よりちょっと安いくらいですね。

市場が拡大する中国は、土地柄や設備によって大きなバラつきがあります。なので料金は一概には言えませ。観客側からすると選択肢が多くて羨ましいです。

最も映画館の料金が安い国はインドでした。なんと320円でかなり格安です。インドは年間製作本数も世界一の映画大国。そのほとんどは自国内向けなので、粗製乱造感が否めませんが、『きっと、うまくいく』など世界的大ヒット作品も生まれています。

日本と近い料金だったのは、ノルウェーやスウェーデンなどの北欧諸国で、1,700~2,000円くらいでした。そもそも物価が高いので単純比較はできないのかもしれませんが・・・

こうして世界各国の映画料金をみると、日本の料金はちょっと割高に感じますね。ただ、鑑賞環境は世界トップクラスなのは間違いありません。

映画館で映画を見るということは、もっと特別なイベントとして認知されてもよいのかもしれませんね。

映画館のある風景 昭和30年代盛り場風土記・関東篇

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