「きっと、うまくいく」主要キャストの実年齢が意外にも高かった?

インド映画歴代興行収入1位を記録した大ヒット映画

2009年に公開されたインド発のヒューマンドラマ『きっと、うまくいく』。インドの工科大学を舞台にした笑いあり涙ありの青春劇です。社会問題等もうまく取り入れられていて、2010年インドアカデミー賞では作品賞をはじめ史上最多16部門を受賞しました。

2013年には日本でも公開。第37回日本アカデミー賞では優秀外国作品賞を受賞し、『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1995年)以来の第2次ボリウッド映画ブームを巻き起こしました。

行方不明だったランチョー(アーミル・カーン)が街に戻ってくると聞き、ファルハーン(マドハヴァン)とラージュー(シャルマン・ジョシ)は母校に向かう。10年前、三人は名門大学の学生だった。真っすぐなランチョーは異議があれば学長にすら物申し、好きなことに打ち込んでいた。しかし、ランチョーと学長の娘・ピア(カリーナー・カプール)が接近したことから、3人は卒業目前で退学を言い渡されてしまう。

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ボリウッド映画といえばコア映画ファン御用達のイメージですが、この作品はすべての人に楽しんでもらえるのではないかと思えるほどパーフェクトな映画。おきまりのダンスシーンも挿入されていますが、これまでとは一味違う。

この作品の魅力はアジア圏だけでなく、世界中に伝わっており、スティーブン・スピルバーグやブラッド・ピットなどのハリウッドプロデューサーも絶賛しています。

ちなみに、本作のキーワードである“Aal Izz Well”(アール・イーズ・ウェル)は邦題「きっと、うまくいく」の基になっていますが、正確には「すべてうまくいく」の方が正しいでしょうね。このフレーズの由来は、イギリス統治時代のインドで夜警が街を見回りながら口にしていた言葉であるとのことです。

インド映画界の巨匠×インド映画界の秀才

本作のメガホンをとったのは、ヒンディー語映画界最高峰の監督であるラージクマール・ヒーラーニー。

インド映画と一口にいっても、さすが世界最大の映画の国だけあって、言語別にそれぞれ映画業界が独立しています。このうち、最大派閥がヒンディー語映画。俗にいうボリウッド映画とはこのヒンディー語映画のことなのです。

そして、ヒンディー語映画の中で、最も商業的に成功し、またその功績も認められているのがラージクマール・ヒーラーニー監督。初期作の『医学生ムンナ・バーイー』、『その調子で、ムンナ・バーイー』のヒットにより、インド国内で一気に注目度を高め、勢いそのままに本作『きっと、うまくいく』を制作。瞬く間にインド国内のあらゆる映画記録を塗り替え、ヒンディー語映画の第一人者となりました。

一方、主役を務めたのは、アーミル・カーン。こちらもボリウッド映画には欠かせない俳優です。

インドには有名なカーンが3人います。シャー・ルク・カーン、サルマン・カーンとアーミル・カーンで、3人とも1965年生まれです。個人的にはアーミル・カーンが一番実力派な印象です。ほか2名もボリウッドでは絶大な人気を誇り、出演作も多数ありますが、彼は気にいった作品にしか出演しないことが多く、日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが。

主な代表作に『ラガーン』、『ガジニ』等があり、いずれもインド映画の全世界歴代興行収入1位を塗り替えた大ヒット作です。ちなみに、主演映画による興行収入1位はこれらを含めて5回もあるそうです。

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大学生役にも関わらず主要キャストは全員30歳over

本作は大学生3人による青春ストーリーとなっていますが、主役がアーミル・カーンということで、当時びっくりした記憶があります。というのも、アーミル・カーンはその時44歳だったからです。すでに名実ともにインド映画界の大スターとなった彼が学生役を務めるということ、また監督がラージクマール・ヒーラーニーであること、とんでもない映画が生まれる予感がありました。

脚本を愛せるかどうかで出演作を決めるアーミル・カーンが、監督に頼み込んで出演させてもらったそうで、肌を若々しく見せるために、毎日水を4ℓ飲んで撮影に挑んだとのことです。

とても44歳に見えないですね。違和感を感じなかった人のほうが多いのではないでしょうか。

さらに驚くべきことは、ランチョー(アーミル・カーン)の親友であるファルハーンとラージューも、一般的に学生役が務める年齢ではありませんでした。

ファルハーン役を務めたのはR・マドハヴァン。

ランチョーに影響されて自分の夢に向かって走り出す青年を演じ、本作のナレーションも務めました。非常に好青年に見えた彼ですが、実は撮影当時39歳。フツーにおじさんでした。

また、ラージュー役はシャルマン・ジョシが務めました。家が貧しく、常に神様頼みの苦学生を演じた彼も当時30歳。ほかの2人に比べると若く感じてしまいますが、大学生役はちょっと厳しい年齢ですよね。

とういうことで、3人とも実年齢が意外に高かったですね。たしかに、劇中の10年後も違和感ないなとは思っていたんですが、予想の遥か上を行きました。素晴らしい演技だったので全く問題はありませんが、日本では考えられないですよね。本国ではどう捉えられたのか気になります。

インドの大学受験戦争について

もしかして、インドの大学生って日本に比べて年齢が高めなのかもしれない。そう思って調べてみました。

インドではいまだにカースト制度が職業に大きな影響を及ぼしています。身分の低い家で生まれた子は、必死で勉強して有名大学を目指すことで、カースト制度を乗り越えなくてはなりません。世界2位の人口を誇り失業率も高いインドでは、大学受験というのはまさに人生の分かれ道。不合格となった高校生が毎年何人も自殺しており、大きな社会問題にもなっています。

子どものため、壁をよじ登ってカンニングペーパーを渡す親

特に、人気があるのはインド工科大学。通称ITTと呼ばれる本校は、インドの最高学府であり、世界でも最高峰レベル。GAFA等の世界的企業に就職する人が多いのだとか。『きっと、うまくいく』のモデルとなったのはこの学校です。

受験そのものも大変なインドですが、卒業するのも並大抵の苦労ではないようです。本作でもいくつか描写がありました。学長に実力を認められず自殺してしまったジョイ・ロボ。ラージューも退学を突き付けられ自殺未遂を図ります。『きっと、うまくいく』では、インドの学歴主義社会の恐ろしさを上手に物語に落とし込んでいたわけですね。

『きっと、うまくいく』の監督と主演が再タッグ!

本作の後、ラージクマール・ヒーラーニー×アーミル・カーンで制作された『PK』(2014年)。こちらも負けず劣らず名作となっております。

留学先のベルギーで恋に破れ、祖国インドのテレビ局に勤務するジャグー(アヌシュカ・シャルマ)は、ある日黄色いヘルメットをかぶって大きなラジカセを持ち、さまざまな宗教の飾りを身に着け、チラシを配布する男(アーミル・カーン)と出会う。PKというその男は神様を探しているらしく、興味を持ったジャグーは彼を取材する。しかし、PKが語る話は途方もない内容で……。

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『きっと、うまくいく』と雰囲気は似ているヒューマンコメディです。本作のアーミル・カーンは学生役ではありませんが、50歳とは思えない肉体美を披露していますのでお楽しみに。

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