『ブルーに生まれついて』 痛いほどの音楽と、愛

 

 

『ブルーに生まれついて』

 

 

表面

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2015年 アメリカ、カナダ、イギリス

監督:ロバート・バッドロー

出演:イーサン・ホーク カルメン・イジョゴ カラム・キース・レニー スティーヴン・マクハティ ジャネット=レイン・グリーン トニー・ナッポ

 

 

裏面

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あらすじ

名ジャズ・トランペット奏者として一世を風靡した、チェット・ベイカーの苦闘の時代を描くドラマ。ドラッグに依存し、暴行されて歯を失い、どん底に落ちたチェットが再生を目指す姿を、イーサン・ホークが見事に再現する。シャープな映像とクールな音楽が抜群の官能をもたらす1本。(Firmarks)

 

 

伝説のトランペット奏者チェット・ベイカーとは?

 

(https://103tommy.com)

チェット・ベイカー(Chet Baker、本名Chesney Henry Baker Jr.、1929年12月23日 – 1988年5月13日)は、ジャズミュージシャン。ウエストコースト・ジャズの代表的トランペット奏者であり、ヴォーカリストでもある。(Wikipedia)

 

モダンジャズの世界では珍しい、白人のトランぺッターです。また中性的な歌声でも知られ、一時はあのマイルス・デイヴィスを凌ぐ人気がありました。

しかし、ドラッグ暴行事件、乱れた女性関係など、破天荒な性格でも知られています。服役経験もあり、その後はもう一度トランペットを手に取りますが、鳴かず飛ばずで、結局返り咲きとはなりませんでした。

 

チェット・ベイカーは58歳の若さで亡くなっています。ホテルの窓からの転落死と報じられていますが、原因は明らかになっていません。トラブルに巻き込まれることも多いような人物だったので、事件性もあったのではないかと言われています。

 

 

ドキュメンタリー映画『レッツ・ゲスト・ロスト』

 

天才的なトランぺッターであったが、私生活には問題のあったチェット・ベイカー。その波乱万丈の人生は映画の題材としてはうってつけです。

 

今作よりも前に『レッツ・ゲスト・ロスト』というドキュメンタリー映画が公開されています。

チェットが思い出を語る形式で進行され、演奏シーンは少なめ

監督はファッション・スチール・フォトグラファーのブルース・ウェーバーが務めています。

1988年から撮影された本作は、製作途中でチェットが亡くなったので、彼の死後に公開された作品になります。

 

伝記的な映画としてチェット・ベイカーを描く作品は、今作が初めてとなるわけですね。

ジャズ界ではカリスマ的な人気を持つ彼の伝記映画を、心待ちにしていた人も多いのでは?

 

 

『ブルー』はなにを指すのか?

 

今作のタイトル『ブルーに生まれついて』。ブルーに生まれつくとは、いったいどういう意味でしょうか?

 

一般的にブルーには「憂鬱」といったようなイメージがあります。

もともとジャズは1920~1940年にニューオリンズで発祥したとされています。人種差別がずっと酷い時代、黒人文化として発展していきます。こういった背景から、どことなく悲しみを背負っている音楽に聞こえますよね。

 

また、ジャズに多用される音階が、ブルー・ノート・スケールと呼ばれていることも、影響しているでしょう。

ブルー・ノート・スケール(ブルース・スケール、blue note scale)は、ジャズやブルースなどで使われる、メジャー・スケール(長音階)に、その第3音、第5音、第7音を半音下げた音を加えて用いるもの、もしくはマイナー・ペンタトニック・スケールに♭5の音を加えたものである。特に、♭5の音をブルー・ノートと呼ぶ。近代対斜の一種でもある。(Wikipedia)

 

このようにブルー、青色はジャズを象徴する色とされています。

つまり、ジャズの世界にチェット・ベイカーが、天才トランぺッターとして誕生するといった意味合いになるでしょうか。黒人差別があるように、黒人文化の中で白人であるチェット・ベイカーに対する風当たりは強かったはず。

この映画は、社会派的な側面も持つ作品なのかもしれません。

 

 

挿入歌を聞いてみよう!

 

今作の見どころ、いや聞きどころの一つ。数々のジャズの名曲が挿入歌として演奏されています。

 

チェット・ベイカーの代表曲「My Funny Valentine」。甘い歌声にも注目です。

 

ドキュメンタリー映画のタイトルにもなった「Let’s get lost」。彼のトランペットをじっくり聞きたいならこの曲で決まり。

 

そして今作のタイトルにも使われた「Born to Be Blue」です。

 

 

予告編

 

 

チェット・ベイカーの再起&恋物語になるのでしょうか。

恋人であるジェーンの出番も多そうです。この作品に限ったことではありませんが、日本版予告は恋愛シーンばかり映すので、あてになりませんが・・・

イーサン・ホークによる「My Funny Valentine」にも期待!

 

鑑賞後レビュー(※ネタバレを含みます

 

横暴な態度、ドラッグ依存、激しい女性関係。
このクズ男の唯一の良心はトランペット。そして、このトランペットにかける情熱という一点のみで、我々を味方につけてしまった。

 

ジャズの世界で白人のチェットに対する風当たりは強い。逆に、もがき苦しみながらもトランペットを吹き続ける彼を、優しく見守る目も多い。恋人ジェーン、旧知のディック、保護観察官までも。
この人らが手を差し伸べるたび、道を外さずに済むチェット。そうでなければあっという間の転落人生
だから、ジェーンが一緒に行かないと言った時、悪い予感がしたんです。

 

そしてラスト、わずかな所作でそれを見抜き、涙するジェーン。この時、チェットはとても哀れな男に写ります。拍手喝采の中、ステージには1人の寂しい男が立っています。

 

 

 

 

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